概算金は、JAへ出荷する米の代金の一部を集荷の時点で受け取れる仮渡金で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県ごとに全農県本部・経済連が決めます。令和8年産は7月の九州・四国の早期米から始まり、9月25日の長野で主食用うるち米の主産地がすべて出そろい、9月28日時点で28産地が金額を示しています。水準は福島「天のつぶ」の12,000円から富山の20,800円までで、下落率はおおむね3〜6割です。岡山は概算金の設定を11月に先送りしました。この記事では産地・銘柄別の金額を価格表で示し、発表され次第更新します。米価全体の見通しは米政策と米価の見通し、精算と追加払いの仕組みは概算金の仕組みで解説しています。
更新情報(2026年9月28日):長野・佐賀・福島のJA東西しらかわと、岐阜の「飛騨コシヒカリ」を追加しました。これで主食用うるち米の主産地はすべて出そろいました。全農長野は9月25日、コシヒカリのJA概算金を16,730円(前年比11,510円安・約41%安)と決めました。県内では過去最大の下げ幅ですが、17,000円前後の東北3県とほぼ同じ水準で、先に出た青森・福島ほどは下げませんでした。佐賀のJAさがは「さがびより」を16,000円(前年比13,500円安)としています。8月に最低価格の提示を見送っていた産地です。福島のJA東西しらかわは9月18日、コシヒカリを14,000円(前年比16,500円安・約54%安)、「天のつぶ」を12,000円(約60%安)と決め、県内5JAがそろいました。全農岐阜が示した「飛騨コシヒカリ」(JAひだ管内)の目安額は18,100円です。あわせて、農林水産省が9月18日に公表した相対取引価格(8月分)を反映しました。
前回の更新(2026年9月16日):青森・福島・大分の3産地と、青森の商系の前渡し金10,000円、JAおおいたが組合未加入の生産者へ示した買取価格16,380円を追記しました。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 概算金とは | JAへ出荷する米の代金の一部を集荷時に受け取れる仮渡金。玄米60キロ(1俵)当たりで提示 |
| 決める主体 | 県単位で全農県本部・経済連が決定。地域によりJA等が独自に設定 |
| 令和8年産(主食用うるち米) | 福島「天のつぶ」12,000円から新潟「魚沼コシヒカリ」21,000円までの幅で、9月28日時点で28産地。新潟18,500円・秋田18,300円・山形17,000円・宮城17,000円・岩手17,200円・北海道17,000円・茨城17,000円・兵庫17,000円・大分16,800円・長野16,730円・佐賀「さがびより」16,000円・栃木15,500円・青森13,800円・奈良13,100円・福島コシヒカリ14,000〜15,100円ほか(産地・銘柄別の表) |
| 令和8年産(早期米) | 高知14,000円から鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円までの幅。7月から8月上旬に九州・四国と千葉で提示 |
| これから出る産地 | 主産地はすべて出そろった(9月25日の長野が最後)。岡山は概算金を11月に先送りし「出荷一時払金」10,200円を先に支払う。銘柄単位では岐阜(JAぎふ)の晩生「ハツシモ」が未提示 |
| 前年産との差 | おおむね3〜6割安。福島は5JAとも約半額で、金額では夢みなみ「こがねもち」の27,000円安(約68%安・もち米)、主食用うるち米では福島(JA東西しらかわ)「天のつぶ」の17,700円安(約60%安)が最大。最も小さいのは富山の約23%安。栃木・青森・会津よつばは前年の引き上げ後の最終額と比べるとさらに下げ幅が広がる |
| 支払いの段階 | 北海道・新潟・富山・石川・岩手・秋田・宮城・山形・栃木・長野・愛知・静岡・鳥取などは全農県本部・経済連・ホクレンがJAへ払うJA概算金。福井・島根・香川・三重・広島・山口・山梨・岐阜・茨城・奈良・兵庫・福島・大分・佐賀などはJAが生産者へ払う生産者概算金。青森は全農県本部が生産者概算金の「目安額」を示す形。JA概算金からはJAの経費が引かれるため、両者を同じ水準として比べられない |
| 決定と報道の区別 | 各表の補足に明記。【決定】=JA・全農が自ら公表した金額(福井・新潟・富山・島根・岐阜と岡山の一時払金)。【報道】=取材で判明し、JAは金額を公表していない金額。【報道】もJAが決めた金額で、未決定という意味ではない |
| 令和7年産の水準 | 令和6年産比でおよそ7割高。新潟の一般コシヒカリで玄米60キロ当たり30,000円 |
| コスト指標との関係 | 米のコスト指標(生産段階)は玄米60キロ当たり20,535円。これを上回るのは早期米の鹿児島・熊本と、主食用うるち米では新潟の魚沼コシヒカリ21,000円・富山の富富富20,800円だけ。9月に加わった大分・青森・福島はいずれも届いていない |
| 最終手取り | 概算金と販売後の追加払い(精算金)で確定。概算金は確定価格でない |
令和8年産の概算金はいつ、どこまで出ているか
令和8年産の概算金は、九州・四国の早期米から発表が始まりました。7月末までに宮崎・鹿児島・熊本・高知が金額を示し、7月28日には関東の早場米として千葉、8月4日には愛媛、7日には佐賀と香川、10日には徳島が続きました。いずれも前年産を大きく下回り、下落は西日本から東日本へ広がっています。
表の補足にある【決定】は、JA・全農が自ら公表した金額です。【報道】は取材で判明した金額で、JA・全農は公表していません。【報道】もJAが決めた金額ですが、対象の銘柄や前年産との比較が示されないことがあります。
| 産地(JA) | 銘柄 | 令和7年産(前年産) | 令和8年産 | 前年産との差 | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 宮崎(JAみやざき) | コシヒカリ(早期米) | 32,000円 | 18,000円程度 | 約14,000円安(約4割安) | 【報道】2026年7月13日報道。7月24日までに出荷されたJA米の場合 |
| 宮崎(JAみやざき) | 夏の笑み(早期米) | — | 16,400円程度 | 約4割強安 | 【報道】2026年7月15日報道。7月24日までに出荷されたJA米の場合 |
| 熊本(JA熊本経済連) | コシヒカリ(早期米) | 30,000円 | 20,700円 | 9,300円安(約31%安) | 【報道】2026年7月28日報道(27日に決めたことが分かったと伝えられた)。JA熊本経済連は金額を公表していない |
| 鹿児島(JAさつま日置) | 金峰コシヒカリ(早期米) | — | 21,600円 | 約2割安 | 【報道】2026年7月23日報道。南さつま市の早期米。一昨年より少し高い水準 |
| 高知(JA高知県) | 南国そだち | 22,700円 | 14,700円 | 8,000円安(約35%安) | 【報道】2026年7月18日報道・1等税込 |
| 高知(JA高知県) | よさ恋美人 | 22,000円 | 14,000円 | 8,000円安(約36%安) | 【報道】2026年7月18日報道・1等税込 |
| 高知(JA高知県) | コシヒカリ | 22,000円 | 14,000円 | 8,000円安(約36%安) | 【報道】2026年7月18日報道。令和6年産並みの水準 |
| 愛媛(県内のJA) | コシヒカリ(早期米) | — | 15,400円 | 前年価格の約54%(約46%安) | 【報道】2026年8月4日報道・1等米(JA米)。JA名は特定されていない |
| 愛媛(全農えひめ) | コシヒカリ(早期米) | — | 16,567円 | 令和6年産当初(17,496円)並み | 【報道】2026年8月4日判明・5日報道。概算金ではなく全農県本部がJAから買い取る買い取り価格 |
| 徳島(JA徳島県) | コシヒカリ(早期米) | 30,000円程度 | 16,600円 | 13,400円安(約45%安) | 【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。決定日は特定されていない。30キロ8,300円を60キロ換算。買い取り価格として提示 |
| 徳島(JA徳島市) | コシヒカリ(早期米) | 30,024円程度 | 16,632円 | 13,392円安(約45%安) | 【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。30キロ8,316円を60キロ換算した概算金 |
| 徳島(JA東とくしま) | コシヒカリ(早期米) | 30,024円程度 | 16,610円 | 13,414円安(約45%安) | 【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。30キロ8,305円を60キロ換算した概算金 |
| 千葉(JA全農ちば) | コシヒカリ | 23,800円(当初) | 18,000円 | 5,800円安(約24%安) | 【報道】2026年7月28日報道。関東の早場米で最初の提示 |
| 佐賀(JAさが) | 七夕こしひかり(早期米) | — | 18,000円 | — | 【報道】2026年8月7日報道。白石町で8月上旬から出回る極早生品種。生産者概算金で、JAさがは金額を公表していない |
| 香川(JA香川県) | コシヒカリ | 26,100円程度 | 18,000円 | 8,100円安(約31%安) | 【報道】2026年8月7日報道。仮渡金。JAの決定日は特定されていない。前年産は報道の「約3割・8,100円安」から逆算した参考値 |
令和7年産は令和6年産に比べておよそ7割高い記録的な水準だったため、早期米では玄米60キロ当たり5,800〜14,000円規模の下落になりました。下げ幅には産地差があり、鹿児島「金峰コシヒカリ」の約2割安から愛媛の約46%安まで開いています。金額は等級や検査結果でも変わります。
四国は下げ幅の大きい産地が集中しました。徳島は3JAとも玄米60キロ換算で16,600円前後、前年産から約45%の下落で、県内3JAの金額がほぼ横並びです。JAごとの上乗せ余地がほとんどなくなっていることを示しています。瀬戸内でも、JA香川県のコシヒカリ18,000円はコスト指標20,535円を2,500円あまり下回り、JAの担当者は追加払いで指標に近づけたい考えを示しています。
主食用うるち米の概算金は福島12,000円から新潟の魚沼コシヒカリ21,000円まで
主力の主食用うるち米は、8月10日までに提示された愛知(コシヒカリ16,800円)から9月25日の長野まで、1か月半で28産地に広がり、主産地はすべて出そろいました。作付面積が全国最大の新潟が18,500円、東北は岩手17,200円・秋田18,300円・宮城17,000円・山形17,000円と17,000円台に並ぶ一方、最後に出た青森13,800円と福島14,000〜15,100円は、同じ東北でも3,000〜4,500円低い水準です。最後に出た長野は16,730円で、東北の17,000円台とほぼ同じでした。関東は栃木15,500円・茨城17,000円、近畿は兵庫(JA丹波ひかみ)17,000円と奈良13,100円で4,000円近い開きがあります。自ら金額を公表した【決定】は福井・新潟・富山・島根・岐阜・長野で、ほかは取材で判明した【報道】です。
| 産地(JA) | 銘柄 | 令和7年産(前年産) | 令和8年産 | 前年産との差 | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 愛知(JAあいち経済連) | コシヒカリ | 28,500円 | 16,800円 | 11,700円安(約41%安) | 【報道】2026年8月10日までに提示・11日報道。JA概算金(経済連→JA)。経済連は金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 愛知(JAあいち経済連) | あきたこまち | 31,000円 | 16,800円 | 14,200円安(約46%安) | 【報道】同上。コシヒカリと同額。下げ幅は主食用うるち米で最大 |
| 愛知(JAあいち経済連) | ミネアサヒ | — | 18,300円 | — | 【報道】同上。中山間地の銘柄で県内で最も高い。前年産との比較は公表されていない |
| 福井(JA福井県) | コシヒカリ | 29,000円 | 17,000円 | 12,000円安(約41%安) | 【決定】2026年8月13日にJA福井県が臨時理事会で決定。1等・内金で生産者概算金(JA→農家)。県内の主力銘柄 |
| 福井(JA福井県) | いちほまれ | 30,400円 | 18,000円 | 12,400円安(約41%安) | 【決定】2026年8月13日決定。県のブランド米で県内最高値 |
| 福井(JA福井県) | ハナエチゼン | 28,000円 | 16,000円 | 12,000円安(約43%安) | 【決定】2026年8月13日決定。県内では早生で8月上旬から収穫 |
| 福井(JA越前たけふ) | コシヒカリ | 29,000円 | 17,000円 | 12,000円安(約41%安) | 【決定】2026年8月13日に提示。生産者概算金。JA福井県と同額 |
| 福井(JA越前たけふ) | ハナエチゼン | 28,000円 | 16,000円 | 12,000円安(約43%安) | 【決定】同上。JA福井県と同額 |
| 福井(JA越前たけふ) | いちほまれ | 30,400円 | 18,000円 | 12,400円安(約41%安) | 【決定】同上。JA福井県と同額 |
| 福井(JA越前たけふ) | 日本晴 | 29,000円 | 17,000円 | 12,000円安(約41%安) | 【決定】同上。JA越前たけふ独自の銘柄。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 福井(JA越前たけふ) | あきさかり | 31,000円 | 19,000円 | 12,000円安(約39%安) | 【決定】同上。管内で最も高い銘柄。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 新潟(全農にいがた) | 一般コシヒカリ | 30,000円(当初) | 18,500円 | 11,500円安(約38%安) | 【決定】2026年8月18日に全農にいがたが決定・公表。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。生産者概算金は各JAが設定する。魚沼・佐渡・岩船産以外の県内産が対象 |
| 新潟(全農にいがた) | 魚沼コシヒカリ | 32,500円 | 21,000円 | 11,500円安(約35%安) | 【決定】同上。主食用うるち米でコスト指標20,535円を上回る唯一の銘柄 |
| 新潟(全農にいがた) | 佐渡コシヒカリ | 30,300円 | 18,800円 | 11,500円安(約38%安) | 【決定】同上。岩船産と同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 新潟(全農にいがた) | 岩船コシヒカリ | 30,300円 | 18,800円 | 11,500円安(約38%安) | 【決定】同上。佐渡産と同額 |
| 新潟(全農にいがた) | 新之助 | 31,000円 | 19,000円 | 12,000円安(約39%安) | 【決定】同上。令和6年産比は+1,000円 |
| 新潟(全農にいがた) | こしいぶき | 27,000円 | 17,000円 | 10,000円安(約37%安) | 【決定】同上。下げ幅は県内の主食用で最も小さい |
| 富山(全農とやま) | コシヒカリ | 26,000円 | 20,000円 | 6,000円安(約23%安) | 【決定】2026年8月19日に全農とやまが決定・公表。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。下げ幅6,000円は記録のある過去20年で最大 |
| 富山(全農とやま) | 富富富 | 26,800円 | 20,800円 | 6,000円安(約22%安) | 【決定】同上。県内最高値で、コスト指標20,535円を265円上回る |
| 富山(全農とやま) | てんたかく | 26,000円 | 20,000円 | 6,000円安(約23%安) | 【決定】同上。コシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 富山(全農とやま) | てんこもり | 26,000円 | 20,000円 | 6,000円安(約23%安) | 【決定】同上。コシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 北海道(ホクレン) | ゆめぴりか | 30,000円(当初) | 18,000円 | 12,000円安(約40%安) | 【報道】2026年8月20日に「うるち米全道共計運営会議」で決定・21日報道。1等でJA概算金(ホクレン→JA)。ホクレンは金額を公表していない。令和6年産比では500円高い。この銘柄は報道が分かれています |
| 北海道(ホクレン) | ななつぼし | 29,000円(当初) | 17,000円 | 12,000円安(約41%安) | 【報道】同上。道内作付面積の約半数を占める主力銘柄。令和6年産比では500円高い。需給改善を前提に追加払いをめざす考えとみられる |
| 静岡(JA静岡経済連) | コシヒカリ | — | 14,040円 | — | 【報道】2026年8月18日までに提示・同日報道。1等でJA概算金(経済連→JA)。経済連は金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。提示当時は令和8年産の主食用うるち米で最も低い水準だった(現在は福島「天のつぶ」12,000円・奈良キヌヒカリ12,600円・青森13,800円が下回る)。前年産の金額は報じられていない |
| 岩手(全農いわて) | ひとめぼれ | 28,000円(当初) | 17,200円 | 10,800円安(約39%安) | 【報道】2026年8月21日に県内7JAの組合長らが協議して決定・同日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。現在の概算金の仕組みになった2015年以降で最大の下げ幅。前年産は追加払い後31,000円 |
| 岩手(全農いわて) | 銀河のしずく | — | 17,700円 | — | 【報道】同上。県のブランド米で、ひとめぼれより500円高い。前年産との比較は報じられていない |
| 石川(全農いしかわ) | コシヒカリ | 25,200円(当初) | 17,500円 | 7,700円安(約31%安) | 【報道】2026年8月21日に決定し県内各JAへ提示・22日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。全農いしかわは金額を公表していない。令和6年産当初を1,300円上回る水準。前年産は期中に31,200円へ引き上げられた |
| 石川(全農いしかわ) | ひゃくまん穀 | 27,000円 | 17,500円 | 9,500円安(約35%安) | 【報道】同上。県独自品種でコシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 石川(全農いしかわ) | ゆめみづほ | 24,300円 | 16,500円 | 7,800円安(約32%安) | 【報道】2026年8月25日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。県が育成したわせ品種で、同日に県内の店頭で新米の販売が始まった。全農いしかわは金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。県内で最も早く金額が分かる銘柄 |
| 鳥取(全農とっとり) | 主要銘柄(一律) | 22,000円 | 16,000円 | 6,000円安(約27%安) | 【報道】2026年8月21日に決定・22日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。県内JAが扱ううるち米・もち米などの主要銘柄を一律で設定し、翌年夏に精算金を予定。前年産も銘柄一律 |
| 三重(県内の複数のJA) | コシヒカリ(提示額の下限) | 30,000〜33,000円程度 | 16,700円 | 4割以上安 | 【報道】2026年8月21日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。JA名は特定されていない。一部のJAは10月以降さらに約5,000円低い12,000円ほどを提示 |
| 三重(県内の複数のJA) | コシヒカリ(提示額の上限) | 30,000〜33,000円程度 | 18,500円 | 4割以上安 | 【報道】同上。県内の複数JAの提示額は16,700〜18,500円の幅がある |
| 島根(JAしまね) | コシヒカリ | 28,400円 | 16,000円 | 12,400円安(約44%安) | 【決定】2026年8月24日にJAしまねが公表。1等で生産者概算金(JA→農家)。全銘柄で過去最大の下げ幅。令和8年産では「最低保証価格」の提示を見送っていた |
| 島根(JAしまね) | きぬむすめ | 28,000円 | 15,800円 | 12,200円安(約44%安) | 【決定】同上。県内で作付けの多い銘柄で、3銘柄のうち最も低い |
| 島根(JAしまね) | つや姫 | 29,200円 | 16,600円 | 12,600円安(約43%安) | 【決定】同上。令和7年産は特別栽培米として29,200円。3銘柄のうち最も高い |
| 広島(JAひろしま) | コシヒカリ | 26,000円 | 15,600円 | 10,400円安(40%安) | 【報道】2026年8月24日に決定・26日に農家へ通知と報道(8月27〜28日報道)。1等で生産者概算金(JA→農家)。JAひろしまは金額を公表していない。今年は県一律でなく各地域JAが発表する異例の対応で、県内で最初。前年産26,000円は全農ひろしまの提示額 |
| 秋田(全農あきた) | あきたこまち | 28,300円(当初) | 18,300円 | 10,000円安(約35%安) | 【報道】2026年8月28日の全県JA組合長会議で決定・31日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。前年産は追加払いを含め最終3万円。「コスト指標の水準をめざし販売対策に力を尽くす」としている |
| 秋田(全農あきた) | サキホコレ | 32,300円 | 20,300円 | 12,000円安(約37%安) | 【報道】同上。県ブランド米で、コスト指標20,535円まで235円に迫る。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 兵庫(JA丹波ひかみ) | コシヒカリ | 30,000円 | 17,000円 | 13,000円安(約43%安) | 【報道】2026年8月30日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。報道は30キロ8,500円で、玄米60キロに換算した金額。決定日は特定されていない。要件を満たすと30キロ当たり150円、出荷契約対策で100円が加算され総額8,750円(60キロ換算17,500円)。県内1JAの金額で、全農兵庫県本部の提示額は判明していない |
| 兵庫(JA丹波ひかみ) | 夢たんば(特別栽培米) | — | 17,900円 | — | 【報道】同上。加算金を含む総額30キロ8,950円の60キロ換算。前年産との比較は報じられていない |
| 岐阜(JAぎふ) | コシヒカリ | — | 16,300円 | — | 【決定】2026年8月31日にJAぎふが公式サイトで公表。1等・60キロ紙袋単価・税込で生産者概算金(JA→農家)。JA米要件を満たし出荷契約のある米が対象で、2等15,976円・3等14,896円。前年産との比較は公表されていない |
| 岐阜(JAぎふ) | ひとめぼれ | — | 15,200円 | — | 【決定】同上。2等14,876円・3等13,796円 |
| 岐阜(JAぎふ) | あさひの夢 | — | 14,300円 | — | 【決定】同上。2等13,976円・3等12,896円 |
| 岐阜(JAぎふ) | にじのきらめき | — | 14,500円 | — | 【決定】同上。2等14,176円・3等13,096円。ハツシモは9月下旬に提示予定 |
| 岐阜(全農岐阜) | 飛騨コシヒカリ(JAひだ管内) | — | 18,100円 | — | 【報道】2026年9月25日報道。全農岐阜が示した目安額でJA概算金(全農→JA)。飛騨地方の銘柄で、美濃のJAぎふのコシヒカリ16,300円(生産者概算金)より1,800円高いが、支払いの段階が違うため単純には比べられない。前年産との比較は確認できていない |
| 山口(JA山口県) | コシヒカリ | 26,400円程度 | 16,380円 | 10,020円安(約38%安) | 【報道】2026年9月1日報道。1等(整粒歩合80%以上・タンパク質7.0%未満)で生産者概算金(JA→農家)。決定日は特定されていない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 山口(JA山口県) | ヒノヒカリなど8銘柄 | 25,020円程度 | 15,000円 | 10,020円安(約40%安) | 【報道】同上。ヒノヒカリ・ひとめぼれ・晴るる・きぬむすめ・恋の予感・にこまる・あきまつり・ミルキークイーンの8銘柄が一律1等15,000円 |
| 山梨(JA梨北) | コシヒカリA | — | 18,540円 | — | 【報道】2026年9月1日に決定・2日報道。30キロ9,270円の60キロ換算で生産者概算金(JA→農家)。前年産との比較は報じられていない。「梨北米」はほぼ県内で流通する |
| 栃木(全農とちぎ) | コシヒカリ | 28,000円(当初) | 15,500円 | 12,500円安(約45%安) | 【報道】2026年9月3日に決定・同日報道。玄米60キロ・税込でJA概算金(全農→JA)。前年産は追加払い3,000円を含め最終31,000円で、最終額と比べると50%安。県内の作付面積が前年比約21%増 |
| 宮城(全農みやぎ) | ひとめぼれ | 28,000円(当初) | 17,000円 | 11,000円安(約39%安) | 【報道】2026年9月4日報道。JA概算金(全農→JA)で、各JAがこれを目安に生産者概算金を決める。引き下げは5年ぶり。県内の出荷量は前年比1割以上増 |
| 宮城(全農みやぎ) | ササニシキ | 29,300円 | 17,000円 | 12,300円安(約42%安) | 【報道】同上。ひとめぼれと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 宮城(全農みやぎ) | だて正夢 | 29,300円 | 17,000円 | 12,300円安(約42%安) | 【報道】同上。ひとめぼれと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 山形(全農やまがた) | はえぬき | 28,000円 | 17,000円 | 11,000円安(約39%安) | 【報道】2026年9月7日の運営委員会で決定・8〜9日報道。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。前々年(令和6年産)比では+500円。需給環境が大きく改善し販売が見通しを超えて好転した際は追加の支払いを検討するとしている |
| 山形(全農やまがた) | つや姫 | 31,000円 | 20,000円 | 11,000円安(約35%安) | 【報道】同上。県ブランド米で県内最高値。コスト指標20,535円には535円届かない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 山形(全農やまがた) | 雪若丸 | 28,600円 | 17,200円 | 11,400円安(約40%安) | 【報道】同上。前々年比+100円。前年産は報道の前年比から逆算した参考値 |
| 茨城(県内のJA) | コシヒカリ | — | 17,000円 | — | 【報道】2026年9月1日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。JA名は特定されていない。全農いばらきのJA概算金をもとに決めたとされるが、全農いばらきは金額を公表していない。前年の全農いばらき当初30,000円とは支払いの段階が違うため、前年差は記載しない |
| 茨城(県内のJA) | あきたこまち | — | 15,000円 | — | 【報道】同上。コシヒカリより2,000円低い |
| 奈良(JAならけん) | コシヒカリ | — | 13,100円 | — | 【報道】2026年9月7日報道。1等・税込で生産者概算金(JA→農家)。JAならけんは金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。在庫過剰で販売の長期化を見込み、流通・保管経費の増加を勘案した。余剰が見込まれる時は精算を実施する |
| 奈良(JAならけん) | ヒノヒカリ・きぬむすめ・にじのきらめき | — | 13,000円 | — | 【報道】同上。3銘柄とも同額 |
| 奈良(JAならけん) | ひとめぼれ・あきたこまち | — | 12,700円 | — | 【報道】同上。2銘柄とも同額 |
| 奈良(JAならけん) | キヌヒカリ | — | 12,600円 | — | 【報道】同上。金額が判明している令和8年産の主食用うるち米で最も低い |
| 熊本(JA阿蘇) | コシヒカリ(特別栽培米) | 30,240円 | 13,020円 | 17,220円安(約57%安) | 【報道】2026年9月7日の米集荷推進大会で発表・9日報道。特栽米1等・税込の仮払金で、生産者概算金(JA→農家)にあたる。前年出荷した組合員に12月末までに3,000〜6,000円の「安定供給加算金」を支払う予定。報道の見出しは13,200円だが、前年差17,220円安と整合する本文の13,020円を採った |
| 大分(JAおおいた) | コシヒカリ・つや姫 | 29,700円 | 16,800円 | 12,900円安(約43%安) | 【報道】2026年9月10日にJAおおいたが公表・15日報道。1等・税込で生産者概算金(JA→農家)。組合員から委託販売で預かる米に払う額で、組合に加入していない生産者には最終精算のない買取価格16,380円を提示している。前年産は報道の前年差12,900円安から逆算した参考値 |
| 大分(JAおおいた) | ひとめぼれ・ヒノヒカリ | 29,340円 | 16,440円 | 12,900円安(約44%安) | 【報道】同上。2銘柄とも同額。組合未加入の生産者向け買取価格は16,020円。下げ幅は全銘柄一律で12,900円 |
| 大分(JAおおいた) | なつほのか | 29,160円 | 16,260円 | 12,900円安(約44%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 大分(JAおおいた) | にこまる | 29,040円 | 16,140円 | 12,900円安(約44%安) | 【報道】同上。JAおおいたが示した銘柄では最も低い |
| 福島(JA会津よつば) | コシヒカリ | 29,100円(当初) | 15,100円 | 14,000円安(約48%安) | 【報道】2026年9月11日判明・12日報道。1等・税込で生産者概算金(JA→農家)。福島県内で最も高い。令和7年産は当初29,100円から最終的に30,600円まで引き上げられており、最終額と比べると下げ幅はさらに大きい |
| 福島(JA会津よつば) | ひとめぼれ | 28,000円 | 14,000円 | 14,000円安(約50%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JA会津よつば) | 天のつぶ | 27,000円 | 12,000円 | 15,000円安(約56%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JAふくしま未来) | コシヒカリ | 28,500円 | 14,000円 | 14,500円安(約51%安) | 【報道】同上。生産者概算金(JA→農家)。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JAふくしま未来) | ひとめぼれ | — | 13,000円 | 15,000〜15,500円安 | 【報道】同上。報道が天のつぶ・里山のつぶと合わせて「15,000〜15,500円減」とまとめているため、銘柄ごとの前年産は特定できない |
| 福島(JAふくしま未来) | 天のつぶ・里山のつぶ | — | 12,000円 | 15,000〜15,500円安 | 【報道】同上。2銘柄とも同額 |
| 福島(JA福島さくら) | コシヒカリ | 30,000円 | 14,000円 | 16,000円安(約53%安) | 【報道】同上。生産者概算金(JA→農家)。前年差は出荷条件によって異なると報じられている。前年産は逆算した参考値 |
| 福島(JA夢みなみ) | コシヒカリ | 30,000円 | 14,000円 | 16,000円安(約53%安) | 【報道】2026年9月14日決定・15日報道。1等・税込で生産者概算金(JA→農家)。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JA夢みなみ) | ひとめぼれ | 29,500円 | 13,000円 | 16,500円安(約56%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JA夢みなみ) | 天のつぶ | 29,000円 | 12,000円 | 17,000円安(約59%安) | 【報道】同上。金額が判明している令和8年産の主食用うるち米で最も低い水準(JAふくしま未来・JA会津よつばの天のつぶと並ぶ) |
| 福島(JA夢みなみ) | こがねもち(もち米) | 40,000円 | 13,000円 | 27,000円安(約68%安) | 【報道】同上。もち米で、下げ幅は主食用うるち米より大きい。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JA東西しらかわ) | コシヒカリ | 30,500円 | 14,000円 | 16,500円安(約54%安) | 【報道】2026年9月18日決定・19日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。県内5JAで最後の提示 |
| 福島(JA東西しらかわ) | ひとめぼれ | 29,900円 | 13,000円 | 16,900円安(約57%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値 |
| 福島(JA東西しらかわ) | 天のつぶ | 29,700円 | 12,000円 | 17,700円安(約60%安) | 【報道】同上。前年産は報道の前年差から逆算した参考値。下げ幅は主食用うるち米で最大 |
| 青森(全農あおもり) | まっしぐら・はれわたり | 26,000円(当初) | 13,800円 | 12,200円安(約47%安) | 【報道】2026年9月14日に全農青森県本部が決定・15日報道。1等で、各JAが生産者へ払う生産者概算金の「目安額」。実際の支払額は各JAが決める。下げ幅は過去最大。令和7年産は当初26,000円から集荷競争のなかで30,000円まで引き上げられた |
| 青森(全農あおもり) | 青天の霹靂 | 30,000円 | 17,000円程度 | 13,000円安(約43%安) | 【報道】同上。県ブランド米。報道は「1万7千円程度」と概数で伝えており、確定額ではない |
| 長野(全農長野) | コシヒカリ | 28,240円 | 16,730円 | 11,510円安(約41%安) | 【決定】2026年9月25日に全農長野が決定。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。県内では過去最大の下げ幅。令和7年産の28,240円は前年から7割上げた過去最高額 |
| 長野(全農長野) | あきたこまち | 27,820円 | 15,950円 | 11,870円安(約43%安) | 【決定】同上。前年産は発表の前年差から逆算した参考値 |
| 長野(全農長野) | 風さやか | 27,700円 | 15,830円 | 11,870円安(約43%安) | 【決定】同上。県のブランド米。前年産は発表の前年差から逆算した参考値 |
| 長野(全農長野) | つきあかり・にじのきらめき | 27,700円 | 15,770円 | 11,930円安(約43%安) | 【決定】同上。前年産は発表の前年差から逆算した参考値 |
| 佐賀(JAさが) | さがびより | 29,500円 | 16,000円 | 13,500円安(約46%安) | 【報道】2026年9月25日報道(JAcom)。生産者概算金(JA→農家)。8月に最低価格の提示を見送っていた。JAさがは「事前契約が積み上がっていない」ことを理由に挙げる |
| 佐賀(JAさが) | 夢しずく | — | 15,000円 | — | 【報道】同上。前年産との比較は報道されていない |
| 佐賀(JAさが) | ひなたまる | — | 14,000円 | — | 【報道】同上。前年産との比較は報道されていない |
金額を比べる前に、支払いの段階を確かめる必要があります。新潟・愛知・岩手・石川・鳥取・北海道・静岡・富山・秋田・宮城・山形・栃木の金額は全農県本部・経済連・ホクレンがJAへ払うJA概算金で、福井・島根・香川・三重・広島・山口・山梨・岐阜・茨城・奈良・兵庫・熊本(JA阿蘇)・福島・大分はJAが生産者へ払う生産者概算金です。青森は全農県本部が各JAに「目安額」を示す形で、生産者への実際の支払額は各JAが決めます。JA概算金からはJAの手数料などが差し引かれるため、新潟の18,500円と福井の17,000円を1,500円差として単純に比べることはできません。
石川は前年の見え方が2つあります。令和7年産は当初25,200円で、期中に31,200円まで引き上げられました。「前年は3万円台」という記憶で比べると下げ幅は14,000円近くに見えますが、当初額どうしなら7,700円安です。期中の引き上げを含む金額と当初額を混ぜると、下げ幅を過大に見積もってしまいます。
北海道の「ゆめぴりか」は、報道機関によって金額が18,000円と18,500円に分かれています。この記事は18,000円を採っています。日本農業新聞は「ゆめぴりか18,000円・ななつぼし17,000円」とし、どちらも前年産比12,000円安・令和6年産比500円高と説明していて、2銘柄の説明が揃うためです。STVニュース北海道も18,000円と報じました。一方でHTB北海道ニュースと北海道ニュースUHBは18,500円と伝えています。ホクレンは金額そのものを公表していないため、どちらが正しいかを一次資料で確かめることは現時点でできません。テレビで18,500円と聞いた方は、この差が銘柄内のたんぱく区分による違いの可能性もあるため、出荷先のJAに自分の等級・区分での金額を確認してください。
三重には、これまでなかった動きが出ました。県内の複数JAがコシヒカリ1等に16,700〜18,500円を提示したうえで、一部のJAが「10月以降はさらに約5,000円低い12,000円ほど」を同時に示しています。同じ産地・同じ銘柄でも、いつ出荷するかで手取りが変わります。
9月に入り、東北・関東の主産地が出そろいました。秋田18,300円・宮城17,000円は先行した岩手17,200円とほぼ横並びで、東北の主食用は17,000〜18,300円に収れんしています。関東で最初に出た栃木の15,500円は前年当初比では約45%安ですが、前年産は追加払い3,000円を加えた最終31,000円だったため、最終手取りと比べるとちょうど半額です。中国地方も広島15,600円・山口16,380円・鳥取16,000円・島根16,000円と16,000円前後に並びました。山梨のJA梨北は「コスト指標を目標に卸と交渉したが『30キロ1万円以上では買えない』と言われた」と説明しており、卸が令和7年産の在庫を抱えたままでは、後から出る産地ほど強気の金額を出しにくい状況です。
関西と九州では、9月上旬に下限を更新する動きが出ました。奈良(JAならけん)はコシヒカリ13,100円・キヌヒカリ12,600円と、静岡の14,040円を下回りました(その後、福島の「天のつぶ」12,000円がさらに下回っています)。熊本のJA阿蘇は仮払金を13,020円に抑える代わりに、前年出荷した組合員へ年内に「安定供給加算金」3,000〜6,000円を支払う方式を採り、名目の金額だけでは産地間を比べられなくなっています。東北は山形17,000円が加わり、前年産がそろって28,000円だった岩手・宮城・山形の3県が17,000円台で横並びになりました。
9月中旬に出た青森と福島で、東北の横並びは崩れました。全農あおもりが9月14日に決めた「まっしぐら」「はれわたり」の目安額13,800円は前年当初比12,200円安で、県内では過去最大の下げ幅です。福島は5JAがすべて決まり、コシヒカリは会津よつば15,100円・ふくしま未来14,000円・福島さくら14,000円・夢みなみ14,000円・東西しらかわ14,000円と、いずれも前年のほぼ半額になりました。17,000円台で並んだ岩手・宮城・山形と、13,800〜15,100円の青森・福島との間に3,000円を超える段差ができています。いずれも提示が遅く、卸が令和7年産の在庫を抱えたまま令和8年産の商談に入ったことが響いています。
福島では、うるち米の下限も更新されました。「天のつぶ」は4JAとも12,000円で、奈良のキヌヒカリ12,600円を下回ります。夢みなみのもち米「こがねもち」は13,000円・前年比27,000円安(約68%安)で、うるち米より下げ幅が大きいのがもち米の特徴です。県内関係者は「未引き取り在庫が7万トンあり、倉庫の空きがほとんどない」「商系集荷業者は12,000円前後で集荷しており、その安値がなくなるまでは1万円台後半での取引は限定される」と説明しています(JAcom農業協同組合新聞 2026年9月14日)。
今年は、JA以外に出せば高いとは限りません。青森県内の集荷業者でつくる青森県米穀集荷協同組合は9月15日、生産者に払う「前渡し金」を「まっしぐら」「はれわたり」とも10,000円と決めました。前日に全農あおもりが示した目安額13,800円より3,800円低い金額です。集荷組合は「民間在庫が多く先行きに不透明感が強い。コスト指標は念頭にあるが市場価格との乖離が大きい」と説明しており、内金として追加払いも検討するとしています。令和6〜7年産では商系業者の集荷競争がJAの概算金を押し上げましたが、令和8年産はその力が働いていません。福島でも商系業者の集荷は12,000円前後で、出荷先を決めるときは金額だけでなく、追加払いの有無と実績まで確かめる必要があります。
大分では、同じJAの中で組合員かどうかによって条件が分かれました。JAおおいたが9月10日に公表した生産者概算金はコシヒカリ・つや姫16,800円(前年比12,900円安)ですが、これは組合員から委託販売で預かる米に払う額です。組合に加入していない生産者には、コシヒカリ・つや姫16,380円という買取価格が示されています。買取は420円低い代わりにその場で金額が確定し、最終精算はありません。委託は相場が戻れば追加払いを受けられますが、今年のような下げ相場では追加払いが出にくく、420円の差をどう見るかは、追加払いへの見通し次第です。
金額を読む物差し:コスト指標20,535円
米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が令和8年4月に公表した米のコスト指標は、生産段階で玄米60キロ当たり20,535円です。令和8年産でこれを上回るのは、早期米の鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円・熊本20,700円と、主食用うるち米の新潟・魚沼コシヒカリ21,000円・富山「富富富」20,800円だけで、ほかはすべて標準的な生産費を回収できない水準です。秋田の県ブランド米「サキホコレ」は20,300円で指標まで235円、山形の「つや姫」は20,000円で535円に迫りますが届きませんでした。指標の位置づけは農産物の価格転嫁とコスト指標で解説しています。
背景にあるのは需給の緩みです。令和8年6月末の民間在庫は243万玄米トンで前年の155万トンから88万トン増え、国の需給見通しでは令和9年6月末も242〜260万玄米トンと減りません。作柄も供給を押し上げる方向で、農林水産省が8月31日に公表した作柄概況(8月15日現在)では、10アール当たり収量が平均を「やや上回る」見込みの道府県が24に上ります。令和7年産の水準へ戻る材料は現時点で見当たりません。
まだ金額が出ていない産地の見通し(主食用うるち米)
9月25日の長野で金額が出た産地は28になり、主産地はすべて出そろいました。残るのは銘柄単位の未提示と、県全体の金額が報じられていない産地だけです。卸売業者との契約が進みにくく提示は例年より遅れ気味で、概算金の設定自体を11月へ先送りする産地も出ています。
| 産地 | 現時点の状況 | 示されている見方・提示時期 | 令和7年産(前年産) | 出典・時点 |
|---|---|---|---|---|
| 岐阜(JAぎふ) | 「ハツシモ」のみ未提示 | 晩生のため9月下旬に提示するとJAぎふが告知していた。9月28日時点で金額は確認できていない。同じJAのコシヒカリは16,300円 | — | 2026年9月28日時点 |
| 岡山 | 概算金は11月中に設定(先送り) | JA晴れの国岡山が8月31日、まず「出荷一時払金」60キロ10,200円(主食用うるち米・もち米の全品種一律)を検査時に支払い、12月に概算金との差額を追加払いする二段方式を決定。JA岡山も概算金を遅らせ同水準の一時金を検討と報道 | コシヒカリ30,000円 | 2026年8月31日 JA晴れの国岡山公表 |
| 兵庫(県本部) | 県全体の金額は未判明 | JA丹波ひかみがコシヒカリ1等30キロ8,500円(60キロ換算17,000円)を提示。全農兵庫県本部の金額や他JAの提示額は報じられていない | 丹波ひかみ30キロ15,000円(同30,000円) | 2026年8月30日報道 |
早期米の大幅安は主産地の先行指標とされてきましたが、秋田・宮城・山形・栃木の実額で東北・関東でも裏づけられ、日本農業新聞は9月10日、主産地の概算金が出そろったとして「25年産比3〜4割安」と総括しました。その後9月14日に青森と福島(JA夢みなみ)が続き、9月25日の長野で主産地はすべて出そろいました。9月中旬の2県が13,800〜15,100円と低い水準になり、全体の下げ幅は3〜4割から3〜6割へ広がりました。最後の長野は16,730円(約41%安)で、下げ幅は青森・福島ほど大きくありませんでした。令和7年産で早期に「最低保証額」を示していた産地ほど、令和8年産では提示を見送るか時期を後ろ倒しにする動きが目立ちます。新潟に続いてJAしまね(7月3日)とJAグループ佐賀(8月7日)が最低保証価格の提示を見送り(佐賀のJAさがは9月25日報道で「さがびより」16,000円)、JA晴れの国岡山は概算金の設定自体を11月へ先送りして、まず一時払金10,200円を支払う二段方式を採りました。売れ残りを抱えた状態で金額を先に約束しにくいという事情が、「提示の遅れ」から「先送り」へ一段進んだ形です。産地ごとの確定額は、発表され次第この記事に追記します。
これから金額・指標が出る日程
令和8年産の概算金は、8月下旬から9月にかけてが本番です。この記事は下記の公表・発表に合わせて更新します。
| 時期 | 出るもの | 見るポイント |
|---|---|---|
| 2026年10月中旬 | 農林水産省「米の相対取引価格・数量」(9月分) | 8月分(9月18日公表)は31,556円で前月比930円安(約3%安)と再び下げた。令和8年産の取引が本格化する9月分で、概算金の水準(16,000〜18,000円台)に向けてどこまで下がるかが焦点 |
| 2026年10月中旬 | 令和8年産米の予想収穫量(農林水産省) | 8月31日公表の作柄概況(8月15日現在)は、10アール当たり収量が平均を「やや上回る」見込みの道府県が24。豊作なら供給がさらに増え、追加払いの原資を細らせる |
| 2026年10月上旬 | JAぎふ「ハツシモ」の概算金 | 9月下旬に提示予定とされていたが、9月28日時点で未確認。コシヒカリ16,300円など4銘柄は8月31日に公表済み |
| 2026年11月 | JA晴れの国岡山の概算金 | 8月31日に先払いを決めた一時払金10,200円との差額を12月に追加払いする。11月の設定額が実質の県内水準になる |
| 2026年9月以降 | 政府備蓄米21万トン買い戻しの実施と追加の判断 | 鈴木憲和農相が9月1日に21万トンの買い戻しを表明。産地からは「21万トンでは足りない」と追加の量・時期の早期アナウンスを求める声が出ている |
| 2026年10月上旬 | 米穀機構の価格見通し指数(9月調査) | 8月調査は18で、過去最低だった7月調査から横ばい。「下がる」見通しのまま新米の出回りを迎えた |
30キロ(玄米1袋)に直すといくらか
概算金は玄米60キロ(1俵)当たりの金額で示されます。出荷に使う米袋は30キロ入りなので、1袋分は表の金額のちょうど半分です。新潟の一般コシヒカリ18,500円は1袋9,250円、青森のまっしぐら13,800円は1袋6,900円になります。前年産の新潟は1袋15,000円だったので、1袋につき5,750円下がりました。
| 産地(JA) | 銘柄 | 令和8年産 60キロ | 令和8年産 30キロ(1袋) | 令和7年産 30キロ(1袋) |
|---|---|---|---|---|
| 北海道(ホクレン) | ゆめぴりか | 18,000円 | 9,000円 | 15,000円 |
| 岩手(全農いわて) | ひとめぼれ | 17,200円 | 8,600円 | 14,000円 |
| 秋田(全農あきた) | あきたこまち | 18,300円 | 9,150円 | 14,150円 |
| 宮城(全農みやぎ) | ひとめぼれ | 17,000円 | 8,500円 | 14,000円 |
| 山形(全農やまがた) | はえぬき | 17,000円 | 8,500円 | 14,000円 |
| 山形(全農やまがた) | つや姫 | 20,000円 | 10,000円 | 15,500円 |
| 青森(全農あおもり) | まっしぐら・はれわたり | 13,800円 | 6,900円 | 13,000円 |
| 福島(県内5JA) | コシヒカリ | 14,000〜15,100円 | 7,000〜7,550円 | 14,250〜15,250円 |
| 茨城(茨城県内のJA) | コシヒカリ | 17,000円 | 8,500円 | — |
| 栃木(全農とちぎ) | コシヒカリ | 15,500円 | 7,750円 | 14,000円 |
| 長野(全農長野) | コシヒカリ | 16,730円 | 8,365円 | 14,120円 |
| 新潟(全農にいがた) | 一般コシヒカリ | 18,500円 | 9,250円 | 15,000円 |
| 新潟(全農にいがた) | 魚沼コシヒカリ | 21,000円 | 10,500円 | 16,250円 |
| 富山(全農とやま) | コシヒカリ | 20,000円 | 10,000円 | 13,000円 |
| 福井(JA福井県) | コシヒカリ | 17,000円 | 8,500円 | 14,500円 |
| 石川(全農いしかわ) | コシヒカリ | 17,500円 | 8,750円 | 12,600円 |
| 愛知(JAあいち経済連) | コシヒカリ | 16,800円 | 8,400円 | 14,250円 |
| 兵庫(JA丹波ひかみ) | コシヒカリ | 17,000円 | 8,500円 | 15,000円 |
| 奈良(JAならけん) | コシヒカリ | 13,100円 | 6,550円 | — |
| 島根(JAしまね) | コシヒカリ | 16,000円 | 8,000円 | 14,200円 |
| 山口(JA山口県) | コシヒカリ | 16,380円 | 8,190円 | 13,200円 |
| 大分(JAおおいた) | コシヒカリ・つや姫 | 16,800円 | 8,400円 | 14,850円 |
| 佐賀(JAさが) | さがびより | 16,000円 | 8,000円 | 14,750円 |
表の30キロの金額は、60キロ当たりの概算金を2で割ったものです(兵庫のJA丹波ひかみはもともと30キロ8,500円で報じられた金額です)。いずれも1等米の金額で、2等に落ちると下がります。等級による差は一等米と二等米の違いで整理しています。
県単位で報じられる金額の多くは全農県本部からJAへの額です。農家への入金はJAの手数料などを差し引くため、表の30キロの金額より低くなります。
農家から玄米30キロを直接買うときの値段は、この金額とは別物です。直売の値段は農家が自分で決めるもので、公的な統計はありません。JAに出すか直売するかの手取りの比べ方はJA出荷と直売の手取り比較で、スーパーの精米5キロの値段は新米の店頭価格で扱っています。
概算金は令和4年産からどう推移したか
令和8年産の下げ幅は「前年比」だけを見ると異常な数字に見えますが、数年の推移に並べると位置づけがはっきりします。年産をまたいで追える代表例として、全農にいがたの一般コシヒカリの推移を示します。
| 年産 | 新潟・一般コシヒカリの概算金 | 前年産との差 | その年の状況 |
|---|---|---|---|
| 令和4年産(2022年産) | 13,700円 | — | 需要減と在庫増で低迷した時期 |
| 令和5年産(2023年産) | 13,900円 | +200円 | 生産コスト上昇を踏まえた小幅増 |
| 令和6年産(2024年産) | 17,000円 | +3,100円 | 令和5年産の品薄(いわゆる令和の米騒動)を受けた大幅増 |
| 令和7年産(2025年産) | 30,000円 | +13,000円 | 集荷競争が過熱し過去最高。前年比約76%高 |
| 令和8年産(2026年産) | 18,500円 | ▲11,500円 | 8月18日決定。最低保証額の提示は見送り。「過去に例がない下落率」。在庫は243万玄米トンに積み上がり |
この5年で突出しているのは令和7年産の30,000円です。令和4〜5年産は13,700〜13,900円、令和6年産でも17,000円でした。この目盛りで見ると、静岡の14,040円は令和4〜5年産並み、北海道の17,000円は新潟の令和6年産と同額、新潟自身の18,500円も令和6年産を1,500円上回るだけの位置です。令和8年産は「前例のない安値」ではなく、令和7年産の突出した高値から令和5〜6年産の水準へ戻った動きです。ただし当時より肥料・燃料・資材の価格は上がっており、同じ17,000円でも今の生産費では赤字になります。
令和7年産の概算金(産地・銘柄別の金額)
令和7年産の概算金は、米価上昇と集荷競争を背景に多くの産地で令和6年産のおよそ7割高まで引き上げられ、記録的な水準となりました。自分の産地の令和8年産を見積もるには、この令和7年産の金額が出発点になります。
| 産地 | 銘柄 | 令和7年産(玄米60キロ・1等) | 前年産との差 | 支払いの段階 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | ゆめぴりか | 30,000円 | 前年当初比で7割超高 | ホクレン→JA |
| 北海道 | ななつぼし | 29,000円 | +12,500円 | ホクレン→JA |
| 青森 | まっしぐら | 30,000円 | +15,000円 | 全農→JAの目安額(当初26,000円) |
| 岩手 | ひとめぼれ | 28,000円 | — | 追加払い後31,000円 |
| 秋田 | あきたこまち | 30,000円 | +13,200円 | 全農→JA(当初28,300円前後) |
| 山形 | はえぬき | 28,000円 | +11,500円 | 全農→JA |
| 宮城 | ひとめぼれ | 28,000円 | +11,500円 | 全農→JA |
| 福島 | 中通ひとめぼれ | 28,000円 | +10,800円 | JA→農家。会津よつばのコシヒカリは当初29,100円→最終30,600円 |
| 茨城 | コシヒカリ | 30,000円 | +12,000円 | 全農→JA(買取は32,500円) |
| 栃木 | コシヒカリ | 31,000円 | +14,700円 | 全農→JA。あさひの夢は27,200円 |
| 千葉 | コシヒカリ | 25,800円 | +10,000円 | 全農→JA(当初23,800円)。ふさこがね24,000円 |
| 新潟 | 一般コシヒカリ | 30,000円 | +13,000円 | 全農→JA。魚沼産は32,500円 |
| 富山 | コシヒカリ | 26,000円 | +10,000円 | 全農→JA。富富富は26,800円 |
| 石川 | コシヒカリ | 25,200円(当初) | +9,000円 | 県域共計概算金。期中に31,200円へ引き上げ |
| 福井 | コシヒカリ | 29,000円 | +11,800円 | JA→農家。ハナエチゼン28,000円 |
| 三重 | 一般コシヒカリ | 29,000円 | +12,000円 | JA→農家。令和8年産を伝えた報道では、県内JAの令和7年産の提示は30,000〜33,000円程度とも伝えられている |
| 滋賀 | コシヒカリ | 29,450円 | +12,150円 | JA→農家。複数JAの中間値 |
| 岡山 | コシヒカリ | 30,000円 | +9,900円 | 前年当初比 |
| 広島 | コシヒカリ | 26,000円 | — | 全農ひろしまの提示 |
| 島根 | コシヒカリ | 28,400円 | +11,600円 | JA→農家(1.9ミリ上) |
| 佐賀 | さがびより | 29,500円 | 前年同期の約1.8倍 | — |
| 高知 | コシヒカリ | 22,000円 | +7,200円 | JA→農家 |
| 宮崎 | 早期コシヒカリ(第2期) | 32,000円 | +12,400円 | JA→農家 |
右端の「支払いの段階」に注意が要ります。全農県本部やホクレンが県内のJAへ示す金額(全農→JA)からはJAの手数料などが差し引かれるため、同じ「概算金30,000円」でも、農家の口座に入るのは30,000円ちょうどではありません。同じ県内でもJAごとに上乗せや奨励金が付く場合があり、等級や検査結果、JA米かどうかでも変わります。この差し引きの実額は概算金の仕組みで、石川県の公開資料をもとに示しています。
令和7年産と比べて令和8年産はどれくらい下がるか
実額が判明した産地の下落率は、富山の約23%安から福島(JA夢みなみ)のもち米「こがねもち」の約68%安まで幅があります。主食用うるち米では福島が約48〜60%安、青森が約47%安、佐賀「さがびより」が約46%安、栃木が約45%安、島根が約44%安、大分が約43〜44%安、福井と長野(コシヒカリ)が約41%安、広島と山形「雪若丸」が約40%安、宮城・岩手と山形「はえぬき」が約39%安、新潟・山口が約38%安、秋田が約35%安、石川が約31%安、鳥取が約27%安でした。9月中旬までは提示が遅い産地ほど下げ幅が大きく出ていました。前年産が28,000円だった宮城・山形は8月末〜9月上旬に17,000円(約39%安)で決まりましたが、9月中旬にずれ込んだ青森は前年当初26,000円に対し13,800円(約47%安)、福島も約半額でした。一方で最後に出た長野は前年28,240円に対し16,730円(約41%安)で、この傾向からは外れました。長野は前年の引き上げ幅が7割と大きく、そこからの下げ戻しが中心だったと読めます。
下げ幅の違いは、産地ごとの在庫、卸売業者との契約の進み方、集荷競争の有無で生じています。同じ県内でもJAごと・支払いの段階ごとに金額が違うため、自分の出荷先の金額は必ずJAの通知で確かめてください。
ほかに使える制度がないか調べる
立場・やりたいこと・品目の3つを選ぶと、61制度から候補が出ます。「米・水田」を選んだ状態で開きます。
「概算金」と「JAの買取価格」は何が違うか
同じ金額が「概算金」「仮渡金」「JAの買取価格」と別々の言葉で呼ばれます。ほとんど同じ意味で使われますが契約としては別物で、手取りの決まり方が変わります。
| 比べる点 | 概算金(仮渡金) | 買取価格(買い取り集荷) |
|---|---|---|
| 契約の形 | 販売委託。JAが生産者に代わって売る | 売買。JAが生産者から買い取る |
| 受け取る金額の性格 | 販売代金の一部を集荷時に前払いする仮の金額 | その金額で売買が成立する確定価格 |
| その後の増減 | 販売終了後の共同計算で追加払いがあり得る。相場が良ければ増える | 原則として増えない(別途の奨励金が付く場合はある) |
| 相場が上がったとき | 手取りが増える可能性がある | 売った後の値上がり分は受け取れない |
| 相場が下がったとき | 追加払いがほぼ出ないことがある | 売った時点の価格が確保される |
| 資金化のタイミング | 集荷時に前払い、精算は翌年になることが多い | 売買時点で金額が確定する |
この使い分けは実際の報道にも表れています。JA徳島県は令和8年産コシヒカリを30キロ当たり8,300円の「買い取り価格」として示し、同じ県内のJA徳島市とJA東とくしまは「概算金」として提示しました。愛媛でも県内JAの概算金15,400円と、全農えひめの買い取り価格16,567円が同じ日に報じられています。金額の高い低いだけで比べると判断を誤ります。
大分では、同じJAが両方を同時に示しました。JAおおいたは組合員から委託販売で預かる米にコシヒカリ・つや姫16,800円の概算金を払う一方、組合に加入していない生産者には16,380円の買取価格を提示しています。差は420円です。420円を受け取らない代わりに、委託なら販売終了後の追加払いの可能性が残ります。今年のように相場が下がる局面では追加払いが出にくいため、この420円が実質の差になることもあり得ます。判断するには、そのJAの過去の追加払い実績を確かめるのが確実です(追加払いの実額例)。
今年のように相場が下がってきた局面では追加払いが出にくく、両者の実質的な差は縮まります。逆に令和7年産のような上げ相場では委託のほうが手取りが大きくなり、秋田「あきたこまち」が当初28,300円から最終3万円になったのがその例です。契約前にJAの担当者へ「委託か買取か」「追加払いの実績はどうか」を確かめておくのが確実です。
実際の取引価格(相対取引価格)
概算金は前払いのため、実際の取引水準は農林水産省が毎月公表する相対取引価格で確かめます。直近の令和8年8月分(9月18日公表)は全銘柄平均が玄米60キロ当たり31,556円で、前月から930円下がり、令和7年10月のピーク37,058円から約15%低い水準です。相対取引価格には運賃・包装代・消費税が含まれるため概算金とそのまま比べることはできませんが、これが下がれば追加払いの原資も細ります。
産地の下落は小売にも届き始めました。農林水産省がスーパー約1,000店のPOSデータを集計した米の平均販売価格は、9月27日までの1週間で5キロ2,926円(前週比8円安)となり、3週続けて3,000円を下回りました。令和7年末のピーク4,416円からはおよそ3分の1下がった計算です。週ごとの推移は新米の店頭価格にまとめています。店頭価格は精米・包装・流通の費用と利益を含む最終段階の金額で、概算金とは比べられませんが、卸が令和7年産の在庫を値下げして売り切ろうとしている局面では、令和8年産の販売価格も上がりにくく、追加払いの原資はさらに出にくくなります。
よくある質問
令和8年産の概算金はいつ発表されますか
早期米は7月から、主食用うるち米は8月下旬から9月下旬にかけて順次提示されました。早期米は九州・四国と千葉まで出そろい、主食用うるち米も9月28日時点で28産地が金額を示し、9月25日の長野で主産地はすべて出そろいました。岡山は概算金の設定を11月に先送りしています。今後の日程はスケジュールの表にまとめています。
令和8年産は令和7年産より上がりますか、下がりますか
下がります。見通しではなく、すでに実額で確認できます。早期米・主食用うるち米ともに前年産をおおむね3〜6割下回り、新潟の一般コシヒカリは18,500円(約38%安)、秋田のあきたこまちは18,300円(約35%安)、宮城のひとめぼれと山形のはえぬきは17,000円(約39%安)、栃木のコシヒカリは15,500円(約45%安)、青森のまっしぐらは13,800円(約47%安)、福島のコシヒカリは14,000〜15,100円(約48〜54%安)、長野のコシヒカリは16,730円(約41%安)、奈良のコシヒカリは13,100円です。令和4年産からの推移で見ると、令和5〜6年産の水準へ戻った位置にあたります。
焦点は「下がるかどうか」ではなく、どこまで下がるかです。下値を決めるのは20,535円のコスト指標で、すでに多くの産地が割り込んでいます。令和9年6月末の民間在庫も減らない見通しで、令和7年産の水準へ戻る材料は現時点で見当たりません。
概算金はコスト指標を下回っているのですか
多くの産地が下回っています。生産段階のコスト指標20,535円を上回るのは、鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円・熊本20,700円・新潟の魚沼コシヒカリ21,000円・富山の富富富20,800円だけです。秋田の「サキホコレ」20,300円は235円差まで迫りますが届かず、新潟の一般コシヒカリ18,500円は2,035円、岩手のひとめぼれ17,200円は3,335円、静岡のコシヒカリ14,040円は6,495円、奈良のキヌヒカリ12,600円は7,935円下回ります。コスト指標は価格交渉の目安で、概算金の下限を保証するものではありません。
JAの買取価格と概算金は同じものですか
近い意味で使われますが、契約としては別物です。概算金(仮渡金)は販売委託に対する前払いで、販売終了後の追加払いで最終手取りが決まります。買取価格は売買の確定価格で、その後の値上がり分は受け取れない代わりに金額が確定します。詳しくは概算金と買取価格の違いをご覧ください。
概算金が下がると、お店で売られる米の値段も下がりますか
概算金は生産者への前払いで、店頭価格とは別の段階の金額です。ただし方向はつながっています。概算金の下落は産地の販売見込みが下がっていることの表れで、実際に卸売業者との取引価格(相対取引価格)は全銘柄平均で玄米60キロ当たり31,556円(令和8年8月分)で、令和7年10月のピーク37,058円から約15%安まで下がっています。ここから精米・包装・流通の費用と利益が乗って店頭価格になるため、産地の下落が小売価格に届くまでには数か月のずれが生じます。小売価格を含めた米価全体の動きは米政策と米価の見通しで解説しています。
今年の新米は30キロでいくらですか
JAに出荷した場合の概算金で見ると、主な産地の1等米で1袋(玄米30キロ)6,550〜10,500円です。新潟の一般コシヒカリは9,250円、秋田のあきたこまちは9,150円、宮城のひとめぼれと山形のはえぬきは8,500円、青森のまっしぐらは6,900円です。前年産と比べると、多くの産地で1袋5,000〜6,500円の下げです。福島は7,000円以上、富山・石川は3,000円台の下げにとどまります。産地ごとの金額は30キロに直した表にまとめています。農家から直接買う玄米の値段は農家が決めるもので、この金額とは別です。
概算金は最終的に受け取れる金額ですか
いいえ。概算金は仮渡金(前払い金)で、米の販売が終わった後の追加払い(精算金)で最終手取りが確定します。販売が好調なら追加払いが増え、振るわなければ追加払いはわずかになります。
概算金は誰が決めますか
県単位で全農県本部・経済連が、産地・銘柄・等級ごとに玄米60キロ当たりの金額を決めます。地域によってはJA等が独自に設定します。
自分の産地の金額はどこで確認できますか
出荷先のJAが示す最新の提示額で確認しましょう。報道で目にする金額は特定の県・銘柄の例であり、同じ県でもJAごとに上乗せや奨励金で変わります。
次の一歩
概算金は、米価全体の動きや国の米政策とあわせて理解すると判断の精度が上がります。米の需給と価格の見通しは米政策と米価の見通しで、価格高騰時の供給対策として注目された仕組みは政府備蓄米で解説しています。自身の産地の最新の概算金は出荷先のJAが示す提示額で把握し、毎月の相対取引価格は農林水産省のページでご覧ください。
このページのデータを使う(CSV・JSON)
この記事に掲載している産地・銘柄別の概算金は、概算金データのページで CSV と JSON として配布しています。出典の記載とリンクを条件に、報道・研究・社内資料・アプリなどで自由に利用・再配布できます。事前の連絡は不要です。主食用うるち米の提示が進むのに合わせて更新します。
キーワード解説
概算金
JAへ出荷契約した米について、JAグループが集荷の時点で代金の一部を前払いする資金です。仮渡金・前渡金・内金とも呼ばれ、報道や検索では「JAの買取価格」と表現されることもありますが、買い取り(売買)ではなく販売委託に対する前払いである点が異なります。国の制度ではなくJAグループの商慣行で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県単位で全農県本部・経済連が決め、各JAがそれをもとに経費を勘案して生産者への支払額を最終的に決めます。
追加払い(精算金)
米の販売が終わった後の共同計算で、販売代金から経費と概算金を差し引いた残りを、出荷量に応じて生産者へ支払うお金です。販売が好調なら金額が増え、最終手取りは概算金と追加払いの合計で確定します。
相対取引価格
出荷団体と卸売業者の間で結ばれた取引契約の価格を、農林水産省が毎月集計・公表する統計です。運賃・包装代・消費税を含む1等米の価格で、産地銘柄別と全銘柄平均が公表され、米価の動向を示す代表的な指標です。
米のコスト指標
食料システム法(食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の適正化等に関する法律)に基づき、農林水産大臣が認定したコスト指標作成団体が公表する費用の目安です。米では米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が令和8年4月7日に公表し、生産段階は玄米60キロ当たり20,535円とされました。価格交渉や概算金を判断する参考として使われますが、価格を保証する制度ではありません。
早場米(早期米)
一般的な産地より早く収穫・出荷される米です。宮崎・鹿児島・熊本・高知など九州・四国の産地が7月から出荷を始め、千葉など関東の早場米が続き、その年の概算金の水準をいち早く示します。