令和8年産の新米が出回っている9月21日〜27日の週、スーパーの平均販売価格は精米5kgで2,926円(税込)でした。3週続けて3,000円を下回っていますが、前週からの下げは8円にとどまり、値下がりの勢いは弱まっています。去年の同じ週は4,211円でしたから、差は1,285円です。この記事では、農林水産省が毎週公表するPOSデータをもとに、週ごとの実額、去年の新米との差、値下がりがどこまで続くかの手がかりを整理します。
更新情報(2026年10月6日):農林水産省が10月2日に公表した9月21日〜27日の週の数値を反映しました。公表は原則として毎週金曜で、本記事もその都度差し替えます。
| 対象となる方 | 令和8年産の米を出荷・販売する農家、農業法人、JA・集荷業者。店頭の相場をつかみたい方 |
|---|---|
| 直近の価格 | 精米5kgで2,926円(令和8年9月21日〜27日・税込・全国スーパー約1,000店舗の平均) |
| 前週比 | ▲8円(▲0.3%)。3週続けて3,000円を下回る水準 |
| 前年同週比 | ▲1,285円(▲30.5%)。去年の同じ週は4,211円 |
| 銘柄別 | 銘柄米2,948円(販売数量の84%)、ブレンド米等2,805円(16%) |
| 販売数量 | 前年同期比+22.9%(前週は+13.3%) |
| 詳しくは | 農林水産省がPOSデータを毎週公表しており、最新週の数値を確認できます |
9月下旬は精米5kgで2,926円、下げ幅は8円に縮小
農林水産省が10月2日に公表したPOSデータで、9月21日〜27日の週の平均販売価格は精米5kgあたり2,926円(税込)でした。前週の2,934円から8円の下げで、3週続けて3,000円を下回っています。新米が並び始めた8月31日の週には、104週ぶりに3,100円を割り込んでいました。
直近6週の実額は次のとおりです。8月31日の週に109円下げたあと、下げ幅は30円台、そして8円へと縮んでいます。
| 週(令和8年) | 平均販売価格 | 前週比 |
|---|---|---|
| 8月17日〜8月23日 | 3,156円 | ▲35円 |
| 8月24日〜8月30日 | 3,112円 | ▲44円 |
| 8月31日〜9月6日 | 3,003円 | ▲109円 |
| 9月7日〜9月13日 | 2,971円 | ▲32円 |
| 9月14日〜9月20日 | 2,934円 | ▲37円 |
| 9月21日〜9月27日 | 2,926円 | ▲8円 |
このデータは全国約1,000店舗のスーパーのPOSを集計したもので、精米5kg・税込の平均価格です。銘柄米とブレンド米等では、価格も数量の割合も違います。次の表は9月21日〜27日の週の数値です。
| 区分 | 平均販売価格 | 販売数量の割合 |
|---|---|---|
| 銘柄米 | 2,948円 | 84% |
| ブレンド米等 | 2,805円 | 16% |
| 全体の平均 | 2,926円 | ― |
ブレンド米等には、ブレンド米のほかプライベートブランド商品も含まれます。銘柄米の前年同週比は▲33.1%で、全体の▲30.5%より下げが大きい区分です。この週は銘柄米が前週比▲18円と下げた一方、ブレンド米等は+22円と上がりました。
去年の新米との差は週を追って開いています
7月上旬の前年同週比は▲5.2%でした。それが8月下旬に▲20.0%、9月上旬に▲27.7%、9月中旬に▲30.9%まで広がり、9月下旬は▲30.5%とほぼ横ばいでした。週ごとの実額を並べると、差が開いていく動きがはっきり出ます。
| 週 | 令和8年 | 前年同週(令和7年) | 差 |
|---|---|---|---|
| 7月上旬 | 3,403円 | 3,589円 | ▲186円(▲5.2%) |
| 7月中旬 | 3,373円 | 3,585円 | ▲212円(▲5.9%) |
| 7月下旬 | 3,311円 | 3,625円 | ▲314円(▲8.7%) |
| 7月末 | 3,198円 | 3,542円 | ▲344円(▲9.7%) |
| 8月上旬 | 3,220円 | 3,737円 | ▲517円(▲13.8%) |
| 8月中旬 | 3,191円 | 3,804円 | ▲613円(▲16.1%) |
| 8月17日の週 | 3,156円 | 3,776円 | ▲620円(▲16.4%) |
| 8月24日の週 | 3,112円 | 3,891円 | ▲779円(▲20.0%) |
| 8月31日の週 | 3,003円 | 4,155円 | ▲1,152円(▲27.7%) |
| 9月7日の週 | 2,971円 | 4,275円 | ▲1,304円(▲30.5%) |
| 9月14日の週 | 2,934円 | 4,246円 | ▲1,312円(▲30.9%) |
| 9月21日の週 | 2,926円 | 4,211円 | ▲1,285円(▲30.5%) |
差が開いた理由は、去年と今年で価格の向きが逆だからです。去年は7月末の3,542円から9月1日の週の4,155円へ613円上がりました。政府備蓄米の流通で下がっていたところへ新米が出回り、値を戻した局面です。今年は同じ期間に3,198円から3,003円へ195円下がっています。売れ残った令和7年産を抱えたまま新米が出てきたため、新米の登場が値上がりの合図になりませんでした。
2年前の同じ時期を下回りました
2,926円という価格は、2年前の同じ時期にあたる令和6年9月の2,978円を下回りました。8月31日の週の3,003円で2年前とほぼ並び、その後の3週でさらに下げています。米価が上がりきる前の水準を割り込んだかたちです。
ピークは令和7年12月29日〜令和8年1月4日の週の4,416円でした。そこからの下げ幅は1,490円(33.7%)にのぼります。令和8年に入ってからも、2月2日の週の4,204円を起点に34週かけて1,278円(30.4%)下がりました。
値下がりはどこまで続くか
手がかりのひとつは販売数量です。8月17日の週が前年同期比▲0.7%、8月24日の週が+2.9%だったのに対し、8月31日の週は+32.0%へ跳ね上がりました。その後は9月7日の週が+27.6%、9月14日の週が+13.3%と縮み、9月21日の週は+22.9%へ戻しました。数量が前年を上回り続ける一方で、価格の下げ幅は37円から8円へ縮んでいます。値下がりで需要を取り込みながら、店頭価格は3,000円の手前で下げ止まりを探る動きです。
卸の段階の数字はまだ出ていません。令和8年産の相対取引価格は未公表で、令和7年産が9月分から始まったのと同じ流れなら、初回は令和8年9月分となり、公表は10月ごろになります。ここで令和8年産の卸値が見えると、店頭価格の下値もつかみやすくなります。
値下がりが続く背景は、売れ残った令和7年産の在庫と、ほとんど減らなかった令和8年産の作付面積です。需給と令和9年度の水田政策の見直しについては、令和8年産の米価はどうなるかで整理しています。
店頭価格から農家の手取りは逆算できません
2,926円は精米5kgの小売価格で、農家が受け取る金額とは単位も段階も違う数字です。概算金や相対取引価格は玄米60kg当たりの金額で、産年の区切りも揃いません。この2つを引き算しても、流通経費は出てきません。
POSデータは産年を分けていない点にも触れておきます。9月21日の週の2,926円は、令和8年産の新米と、売れ残った令和7年産が混ざった平均です。銘柄米とブレンド米等という区分も、産年では分かれていません。
自分の産地の金額を確かめるなら、令和8年産の概算金の産地・銘柄別一覧をご覧ください。報じられる金額から手数料や等級で手取りが下がる仕組みは、米の概算金とはにまとめています。
よくある質問
新米はいつから店頭に並びますか
早いものは8月から並びます。POSデータの販売数量は、8月17日の週が前年同期比▲0.7%、8月24日の週が+2.9%だったのに対し、8月31日の週は+32.0%へ増えました。出回りが本格化するのは9月から10月にかけてです。
表示されている2,926円は新米の価格ですか
新米だけの価格ではありません。POSデータは産年を区別していないため、令和8年産と売れ残った令和7年産が混ざった平均です。新米の比率が上がるにつれて、この平均も新米の水準へ近づいていきます。
店頭価格が下がると概算金も下がりますか
概算金は集荷の時点でJAグループが決める前払いで、店頭価格から逆算して決まる金額ではありません。令和8年産は8月から9月にかけて産地ごとに提示され、主産地はほぼ出そろっています。産地・銘柄別の金額は概算金の一覧で確認できます。